装備品って、かさばりますよね・・・
何度かスチームパンクイベントに出席させていただいておりますが、やはり足かせになるのは「装備品・衣装の運搬」ではないでしょうか。 過去にイベントをお手伝いしたときも、皆さんの荷物の量に「・・・うんうん。わかるわかる。」とひとり頷いていたものです。
自分の場合は、先駆者様や同胞さん達ほど装備品が多くはないのかもしれませんが、どうしても「帽子」には迷いがあります。
スチームパンクなアイテムとして、すでにcandynoir様の、素敵なトップハットを一つ持ってはいるのですが(荷物になるのが嫌なら、どうどうとかぶって行けばいいのでしょうが、どうも小心者でして・・・)実際にイベントに運搬するには容積をとってしまいます。
自分が欲しい帽子の条件として
- 軽い
- トップハット風で、折り畳めるもしくは潰せる
- 広げたときに、形状がもとに戻るようにしたい
- シワがあまり目立たないようにしたい
と、そんな都合のいい帽子があるわけないですし「夢と魔法の国で、場内で売ってるようなウレタン帽子」でも、改造してみようか・・・とも考えてます。
ミシン欲しいなあ・・・
そもそもミシンがないことから「縫わない」で作る素材がないか、うんうん考えながら東急ハンズを物色していると、レイヤーさん御用達エリアにて「片面にのりが付いているライオンボード(リアラボード、ソフトボード)」を発見。
今は色んな種類があるんですね。黒を使ったため、作業も楽でした。
『このライオンボードの「のり面」に、シワが目立ちにくい布を貼れば、縫わなくてもできないかな?』考え、工作したのですが・・・。
材料や、用いたものなど
- 「裏面 のりつき」のライオンボード
- シワが気にならないような、ストレッチ素材の布
- 工作用ボンド
- 100円ショップグッズの「ストールクリップ」
- グルーガン
なんとなく立体的に
敬愛する蒸気夫人の記事に、まいどまいど感化されたというのも大きいのですが「いやいやいやいや、こんなたくさんの生地をバラバラに準備なんて大変だよーさすがは蒸気夫人だー」と同じ型紙を用いることを早々に諦めます。
なんとかサイドクラウンの中央が、凹んでいるようにできないかと考えた末「扇形の形」を2枚用いることを思いつきます。
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- 頭を一周する程度の大きさの「扇型」の紙を準備
- 自分の頭の大きさになるよう、巻いては切って、巻いては切って繰り返して「自分の頭のサイズ」に合わせる
- この扇形の型紙から、ライオンボードを「2枚」切り出す
- それを「上下」に連結
これで「中央部分が凹んだ筒の形状」になりました。これを帽子の側面(サイドクラウン)にします。
写真だとすごく分かりづらいので図にしてみましたが、そりゃ実際は「こんなに滑らかなへこみににはならない」ですよね。各々工夫してみてください。
筒状にしたあとも、何度も「かぶって、切って」を繰り返し、好みの形に合わせて行きます。
ライオンボードの「のりつき面」に生地をはる
少し高めの値段になるかもしれませんが「クラッシュベロア調」という、シワが入っているベルベット風の生地を貼ってます。
この生地がたまたま「ストレッチ素材」だったため「ツバの部分」で役に立つ部分がありました。これは後述します。
サイドクラウン部分のライオンボードは、このようにぐねぐねと立体的になったので、むりやり広げて布地を貼ります。
当然シワがよりますので、きれいな表面での帽子を求めている方には、まーーーったく向いていないスタイルですね。
帽子の天井部分(トップクラウン)も、この「筒の縁」に合わせて接着することをかんがえ「1cmぐらいの、のりしろ」を取ってライオンボードを丸く切り出しノリ面に生地を貼りました。
グルーガンで「側面と、天井部分」を接着し、バケツ状にしたものがこちら。
帽子のツバの縁に、針金を貼る
帽子のツバ(ブリム)のライオンボードを切り出していきます。これも型紙もなにもなしに、ざっくり「円にきりだしたものを、帽子側面に合わせてちょっとづつ切って」調整しました。
帽子をかぶったときに、ツバが「上にそる」ように、かつ折りたたんだ状態から、元の形に戻せるようにすべく、ツバの縁のノリ面にグルっと一周「針金」を貼りました。
この針金の上から布を貼ったので、針金自体はほとんど目立たなくなってます。
なお、ツバの部分は上面と下面の両面に生地を貼りました。
のりが付いていない下面の布は「帽子側面と接着するのりしろ」を余剰にとり「工作用ボンド」で布を貼り付けています。
グルーガンで、バケツ部分とつばを接着
ツバの「帽子側面と接着するのりしろ」の布部分と、帽子側面をグルーガンで接着します。
これで帽子らしい体裁は整いましたが、グルーガンはみ出てて汚いなあ。
飾り付けて、外側にはみ出たグルーガンをごまかす
100円ショップで「ストールクリップ」なる素敵なアイテムがあり、そのクリップ部分を剥がして装飾部分だけ貼り付けて飾りにしました。
リボンを巻いたり飾り付けて「はみ出たグルーガン」を、いいようにごまかします。
帽子の縁部分も、使った布がストレッチ素材のため「切りっぱなしの布のフチが『くるん』と丸まる」のを活用し、追加で貼り付けてごまかして、完成としました。
さすがライオンボード!折りたたんでも復活できる!
折りたたんでみたり、側面部分を潰してみても、なんとまあライオンボードのしなやかさと芯の強さ!
針金でツバもきれいに調整できるため、バッグに放り込んで会場で広げるという荒業にも耐えました。
「裏から見たら、ものすごく汚い」事以外は、かなり理想形に近づいています。
軽いし、折り畳めるし、工作成功!・・・と思いきや!!
きちんとライオンボードでの工作をしたことがなかった無知が、実際の使用時に跳ね返ってきました。すでにスチームパンクイベントに参加させていただいた時に、かぶって参加したことがあったのですが・・・
「なにこれ暑い!しかも蒸れる!」そう、ライオンボードの機能性を全く知らなかったため「ものすごく暑くて蒸れる」ことを初めて知ったのです。
スチームパンクのイベントなのに、会場ではほとんど帽子を脱いでいるという始末・・・。
裏地をつけることで「蒸れ」を防いだり、何枚もの布をつなぎ合わせることで「空気がある程度」抜けたりと、帽子の縫製はきちんと意味があるものなのですねー。やっぱりすごいや蒸気夫人。
このヘボい帽子の利点を言うなら「作る時間が非常に短い」ということを挙げておきます。トップクラウンだけライオンボード剥がそうかな・・・・。それとも、やっぱり夢と魔法の国に帽子買いに行こうかなあ。